近世奇跡考


山東京伝の考証随筆『近世奇跡考』の「歌比丘尼」より現代語訳してご紹介。『近世奇跡考』は、江戸後期の戯作者・浮世絵師の山東京伝(さんとうきょうでん、1761年〜1816年)の考証随筆。文化元年(1804年)刊行。

『残口之記』に、歌比丘尼は昔は脇に挟んだ文匣(ぶんこう:書類や小物を入れるのに用いる手箱)に巻物を入れて、地獄の絵解きをし、血の池のけがれを忌ませ、不産女の哀れを泣かせる業をし、年籠りの戻りに、烏牛王(からすごおう)を配って、熊野権現のことを世間に広く告げ知らせたが、いつのころからか、隠し白粉薄紅をつけて、付鬢帽子に帯幅を広くして云々……

歌比丘尼の項では、書物の記録を集めて熊野比丘尼について考証しています。

山東京伝『近世奇跡考』挿絵 熊野比丘尼絵解図(山東京伝画) 

山東京伝の『近世奇跡考』の挿絵の熊野比丘尼の図を印刷してポストカードにしました。